みなさーん、
歯周病って知ってますかー?
これはけっこう知ってる人いるんじゃないかと思うんですよね。 今はCMでもバンバン歯周病って言葉を聞くので。
じゃー…
歯周病が細菌感染だって知ってますかー?
これはどうでしょう、知ってるんでしょうか。
そうなんです。
歯周病は細菌感染なんです!
歯周病が細菌感染だとどうなるのか。
歯周病はうつるってことなんですよ!!!!!!!
いやいや、待て待て。
歯周病がほんとにうつるならアレか?
今日しゃぶしゃぶ食いに行こうぜ!
いやだよ、お前歯周病だろ?
同じ鍋つつくとうつるからお前とは行きたくねえよ
そんな世界いやだああああああああああああああああああああああああ
というわけでですね。
今回は『歯周病がうつるのか!?』というテーマについてお話をしたいと思います。
- 歯ブラシや食器の使い回し
- ペットボトルの回し飲み
- 同じ鍋をつつく
などなど、こんな日常的な行為で歯周病があっちゃこっちゃ伝染していくとなると普通に生活できなくなりますからね。
気になることは全部聞いてきましたよぉー!
(ちなみに僕は歯周病ではありません、ホントホント、何言ってんの)
先におことわり
今回の記事は中途半端に読むと変な知識がついてしまいます。
せっかくページを開いてくれたからには、できれば最後までしっかりお付き合いいただければと思います!
今回の記事のチェックは小山拓真先生にお願いしました
どこの誰とも分からない僕が医療系のことについて書いても誰も信用できないと思うので、毎回テーマ毎にお詳しい先生に内容の確認をしていただくようにしています。
今回は、福岡歯科大学出身の小山拓真先生にチェックをお願いしました。
現在は福岡県福岡市にある【こが歯科】にいらっしゃいます。
で、歯周病ってうつるの?(おそるおそる)
いきなりですが、小山先生。
ぶっちゃけ歯周病ってうつるんですか?
え、歯周病ですか?うつりますよー。
マジか…
終わった…
そんな爽やかな笑顔であんた、なんてことを…
俺のしゃぶしゃぶライフ…
あ、違うわ。 俺は歯周病じゃないんだった。
歯周病は水平感染する
水平感染というのは、いわゆる感染のことです。 他人から自分、自分から他人への感染。
母親から子どもへ感染する母子感染を『垂直感染』と呼ぶので、それと対になる言葉です。
つまり、歯周病は他人からうつる。
感染経路は唾液感染と考えられているそうです。
他人の歯ブラシを使うと感染しますか?
感染します。
使った後にしっかりゆすいでたら大丈夫かなと思ったんですが、小山先生曰く「滅菌でもしない限り感染します」とのこと。
ペットボトルの回し飲みで感染しますか?
感染します。
同じ鍋を食べると感染しますか?
ちょっと悩ましいのですが、直箸でガンガンつついてたら感染リスクはぐっと上がります。
というのも、歯周病菌が温度によって能力が変化するという論文がありまして、お鍋の温度によって歯周病菌がどうなっているのか、正確なところがお伝えできません、とのこと。
少なくともお鍋の温度程度で歯周病菌を殺菌してくれたりはないです。
赤ちゃんへ感染しますか?
赤ちゃんへも感染します。
“感染の窓”と呼ばれている感染を起こしやすい時期(生後19〜31ヶ月)があり、この期間は特に感染しやすいです。 この期間に感染を防げると、一気に歯周病菌が増えるのを防げると考えられています。
空気感染しますか?
空気感染はしません。
歯周病は垂直感染もする
垂直感染はお母さんから赤ちゃんへの感染です。 母子感染とも言います。
お母さんが歯周病の場合には、歯周病菌がそのまま赤ちゃんへ感染してしまうことがあるので、これからお母さんになる女性はしっかりと歯周病のケアをしておいた方がいいそうです。
5.5mm以上のポケットあるお母さんはしっかり歯周治療しないと、子どもに重めの原因菌が移っちゃいます。 妊娠前に歯周病の治療を頑張らないといけないですね!
とは小山先生のお言葉。
ポケットというのは歯と歯ぐきの境目のことで、歯周病が進むとどんどん深くなっていきます。 どの程度歯周病が進行しているかの指標に使われます。
ポケットの深さが3.5mm以上で立派な歯周病。
5.5mm以上だとがっつり歯周病です。
歯周病は遺伝する場合もある
先ほどの垂直感染が遺伝のように見えますが、垂直感染はあくまで母親から子どもへの直接の感染です。
垂直感染の場合は母親からしか感染しませんが、遺伝の場合は父親からも受け継ぐ可能性があります。
歯周病の中には“侵襲性歯周炎”と呼ばれるものがあります。 通常の歯周病(慢性歯周炎)とは異なり、急速に歯ぐきや骨が溶かされていく歯周病です。
この侵襲性歯周炎は特定の歯周病菌に対する感受性が高いと発症しやすく、この体質に関しては遺伝が関係していると言われているそうです。
うつるの気にしてるけど、本当に歯周病菌に感染してないの?
いや、俺、歯周病じゃないし
そう思ったそこのあなた!
おそらくあなたも歯周病菌をもっていますよ!
今、歯周病になっていないからといって、歯周病菌を持っていないという根拠にはなりません。
歯周病感染=歯周病発症ではない
歯周病以外もそうですが、感染症は感染=発症ではありません。
感染して、なおかつ発症する条件を満たして初めて発症です。 発症していないだけで細菌が体の中にいるということは普通にあります。
歯周病の発症条件が何なのかは後ほど…
そもそも本当に歯周病じゃないの?
初期の歯周病は自覚症状がないんです。
歯ぐきがほんのり赤かったり、歯磨きの時にちょろっと出血してたりするだけ。 痛みなどの強い自覚症状はありません。
あなた、本当に歯周病じゃないんですか?
歯医者さん行って診てもらった方がイイかもしれないですよフフフ
歯周病はほんと怖い病気ですからね。
「歯周病にならないよう」
「なっても初期でしっかり治療できるよう」
定期的に確認しておくことが大切です。
歯周病の怖さについてはまた改めて記事にしたいなと思っています!
ほとんど全員が歯周病菌に感染していると言っていい
残念ながら、現代社会で普通に生活していると、ほとんど全員がいつの間にか歯周病菌に感染してしまっているそうです。
感染を防ぐのはあまり現実的じゃない。
だからと言って「歯周病になるかどうか」は別問題。
感染を防ぐのは難しいけど、発症を防ぐ方法はあるんです。
歯周病の原因は細菌だけど、気にするべきはソコじゃないんだよ!
歯周病の原因が細菌であると考えること自体があまり正確ではありません。
原因は細菌そのものではなくプラーク(歯垢)と考えてください。
今回これが一番驚きだった内容です。
どういうことかと言いますと…
歯周病の原因はプラークです!
プラーク(歯垢)というのは、磨き残しに細菌が集まったものです。
細菌の塊です。
歯周病は細菌感染ですが、このプラークができて初めて歯周病が発症します。
- 歯周病菌が口の中にいる
- プラークが溜まる
- 菌がプラークの中で元気になって毒素を出す
- 毒素によって歯周病が進む
つまり!!
逆に考えると、プラークがなければ毒素が出ず歯周病を発症しない、という構図ですね!
プラークは放っておくと歯石になります。
歯石になってしまうと歯磨きでは取れないので、そのままどんどん歯周病は進行してしまいます。
歯周病発症を防ぐにはどうすればいい?
歯周病の原因がプラークであることを紹介しました。
これをどう捕らえるかは人によると思うんですが、僕はこうとらえました。
ああ、なんだ。
プラークさえちゃんとしてれば歯周病にならずに済むんだな。
感染を防ぐよりよっぽどちょろいな!
そうなんです。
感染を防ぐってどう考えても難しいでしょ。 細菌もウィルスも目に見えないんだから!
インフルエンザも感染が防げないからワクチンうつでしょ?
でも歯周病に限ってはプラークや歯石をちゃんと取り除いてれば防げるんです!
歯磨きちゃんとしてればいいんだから、だいぶちょろい。
プラークをきっちり除去するにはどうすればいいか?
基本はご自宅での歯磨きです。
でもどうしても素人の歯磨きではプラークは残ってしまうんですよね。
プラークが残っていると歯石になってしまい、歯石になると家では取り除けなくなる。
そこで登場するのが予防歯科です。
予防歯科ってCMで聞いたことないですか?
上戸彩さんがよく言っているイメージなんですが。
予防歯科というのは、
歯が痛くなったから治療する!
ではなくて、
歯が痛くならないように予防しましょう!
というアプローチです。
要は、
歯周病が発症しないよう、定期的に歯医者に行ってくださいねー
というお話。
なんで痛くもかゆくもないのに歯医者行かなあかんねん!!
というのは僕も思うところでして、予防歯科については記事を書く予定です。 ですが、今回もとりあえずこれだけは言っておきたい。
どこも悪くなくても定期的に歯医者に口の中診てもらってる方がいいぞ?
おすすめのケアグッズを聞いてみた
小山先生が使ってる歯ブラシを聞いてみると、ジーシーという会社が出している【ルシェロ】という歯ブラシだそうです。
Amazonでも買えます(5本セットだけど)。
そのルシェロの何が気に入ってるのか聞いてみると…
歯磨きしたくないので、歯周病感染者には近付きたくないんですが?
歯磨きしなさい。
まとめ
いやー、危なかったですねー。
今回の結果次第では、飲み会の度に「歯周病:○」とかつけないといけないような世界になってしまうところでした。
簡単にまとめますと
- 歯周病はうつります
- ただ、もうほとんど全員感染してると思っていい
- 感染を防ぐのではなくて、発症を防ごう!
歯周病関連は面白い内容がけっこうあるので、またお話ししたいと思います!