以前、薬局で買える薬をまとめました。
感覚的には「薬局で買えるならネットでも買えるんじゃない?」と思ったんですが、どうも違うようで。
今回は「ネットで買えるかどうか」に焦点を当ててまとめたいと思います。
このページの目次
ネットで買えるのは「一般用医薬品」というカテゴリー
厚労省のPDFにて、何がネット販売可能なのか記載がありました。
ネットでも買えるのは「一般用医薬品」というカテゴリーです。
一般用医薬品の中に第1類から第3類医薬品まであって、こっちの方が名前の通りがいいかもしれないですね。
Amazonで検索してもこのように「第○類医薬品」と明記されています。
この一般用医薬品が医薬品の中でどういう位置づけなのかはこの↓ページでまとめています。
我ながらまとめ図が分かりやすい
ほとんど「薬局で買える薬」とイコールなんですが、ちょっとだけ例外を含みます。
第1類医薬品がネットで買えるのはおかしくないか?
詳しくは医薬品まとめの記事に書いていますが、
第1類医薬品の販売には薬剤師による書面での説明義務があります。
となると、第1類医薬品がネットで買えるのはおかしくないですか?
どういうこっちゃねんとAmazonを見ていると、
なんと!ネット越しでも薬剤師のチェックが…!。
ロキソニンSならネットで買えると聞いてましたが、そんなに簡単にポチッといけるわけではないんですねー。
薬局で買えて、ネットで買えない薬
薬局で買えるのは「OTC医薬品」、ネットで買えるのは「一般用医薬品」です。
この図を見ると分かりますが、薬局で買える薬の方が大きいカテゴリーなんです。
その差は要指導医薬品。
要指導医薬品とは
薬機法の中に定義があるんですが、長いのでざっくり。
① 医師/歯科医師の処方がないと飲めないのが「医療用医薬品」です。
② 薬局どころかネットでも買えるくらい安全性が高い(or 確認された)のが「一般用医薬品」。
③ これの中間が「要指導医薬品」です。
先ほどの厚労省のPDFには要指導医薬品=「スイッチ直後品目・劇薬」とありました。
スイッチ直後品目というのは、「医療用医薬品から薬局で買える医薬品へスイッチしたばかりの薬」という意味だそうです。劇薬の方は…↓
毒薬より弱い毒薬
要指導医薬品の数は極めて少ない
厚労省サイトに「要指導医薬品一覧」なんて分かりやすいものが載ってました。
2020年3月現在、「スイッチ直後品目」はたったの7種類(有効成分別)しかありません。
「劇薬」の方もたった4種類。
要指導医薬品は、OTC医薬品(薬局で買える薬)を2分してるカテゴリーだったので数百種類あるのかと思っていたらたったの11種類でした。
このうちスイッチ直後品目の7種は、基本3年で一般用医薬品の方に降りてくるそうなので、もうほとんど「OTC医薬品≒一般用医薬品≒ネットで買える」と考えても良さそうですね。
ネットで買えない薬はネットでは無理な制限がある
薬局で買える薬のうち、ネットでは買えないのが「要指導医薬品」というカテゴリーでした。
種類も少ないですし、数年後には一般用医薬品に降りてくるのであまり考えなくてもいいことですが、なぜ要指導医薬品はネットで買えないのか。
「要指導医薬品はネットで買えない」とそのまま覚えるのもいいでしょう。
ですが、一般用医薬品(ネットで買える)と要指導医薬品(ネットで買えない)の制限を思い出すと簡単に理解できます。
要指導医薬品は、販売に当たって「薬を飲む人に薬剤師が直接説明と指導を行う必要がある」という点。
さすがにネットでは対面で説明できないですからね。
「要指導医薬品だからネットで買えない」んじゃなくて、「対面で説明できないからネットで買えない」んです。
ということは、Amazonとかの販売元がテレビ電話を導入して顔見ながら説明できるようになれば、要指導医薬品もネットで買える…のか?
画面越しじゃダメなのかな。
要指導医薬品は今後ネットで買えるようになる?
要指導医薬品のうち、スイッチ直後品目(医療用医薬品から降りてきたもの)は基本3年で一般用医薬品に降りてくるようです。
なので待ってれば買える可能性が高い。
これはつまり、医療用医薬品も安全性が確認されればネットで買えるようになる、ということです。 スイッチ直後品目はもともと医療用医薬品だから。
要指導医薬品のうち、劇薬の方は厚労省のページを見ても、登録されてからだいぶ年月が経っているものばかりなので、こちらは一般用医薬品には降りてこないのでしょう。
欲しい薬がネットで買えるか調べる方法
これは簡単です。
薬を扱っている通販サイトで検索する
薬の分類名を調べる
ネットで薬の名前を検索するとだいたい薬のデータベースが引っかかってきます。
そこで「処方箋医薬品」「処方箋医薬品以外の医薬品」「要指導医薬品」と書いてあれば買えません。
逆に「一般用医薬品」「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」と書いてあれば買えます。
医薬品ではありませんが「医薬部外品」「化粧品」も買えます。
まとめ
- ネットで買えるのは一般用医薬品というカテゴリー!
- 薬局で買える薬とネットで買える薬の差は要指導医薬品で、要指導医薬品は数が少ないので「薬局で買える≒ネットで買える」と考えてもよさそう!
- 「薬局で買える≒ネットで買える」とすると、処方箋がいらない薬のほとんどはネットで買えると思ってもよさそう!
以上!