僕のような目からも耳からも好奇心が漏れ出てるような人間はおいておいて…
歯医者の麻酔が苦手じゃない人っているのか?
麻酔は注射針でブスッと刺すので当然痛いです。
そもそも麻酔というのは治療の痛みを抑えるはずだったのに、麻酔それ自体が痛いという訳の分からんことになってます。
痛みに加えて、
- 先生がマスクしてて表情が見えない
- 麻酔器のいかにも痛そうなフォルム
- 顔にタオル乗せられて周りが見えない
- 麻酔注入時に先生の手にめっちゃ力が入ってるのが伝わってくる
いや、こえーよ!
というわけで!
- 現在の歯科治療で麻酔の痛みはどんなもんなのか
- 麻酔で痛みが出るポイント
- 麻酔の痛み対策はどんなものがあるのか
- 麻酔の痛み対策はどの程度効果があるのか
などなど、お話したいと思います。
「どの程度効果があるのか」は今回のメインです!
「痛みを抑えるためにやってもらってること」をあえてやらずに麻酔をしてもらってきた体験談をお話します!
もちろん、被験者はオレ。
このページの目次
今回の記事のチェックは猿田陽平先生にお願いしました
どこの誰とも分からない僕が医療系のことについて書いても誰も信用できないと思うので、毎回テーマ毎にお詳しい先生に内容の確認をしていただくようにしています。
今回は、昭和大学出身の猿田陽平先生にチェックをお願いしました。
現在は福岡県福岡市にある【陽だまり歯科】にいらっさる。
今回は記事チェックだけでなく、実際の実験にも無理を言ってご協力していただきました。
麻酔で痛みが出る4つのポイント
痛み軽減の効果を理解しやすくするために、まずは「なぜ麻酔が痛いのか」という部分を紹介します!
1.針を刺した時の痛み
歯医者の麻酔は注射針を歯ぐきにブスッといくので当然痛いです。
2.麻酔液注入の痛み
麻酔ってね、なんとなく歯ぐきの中に薬を注入してるんじゃなくて、実は骨の中に薬液を浸透させてるんですよ。
骨の中にそんなすき間はもちろんないので、歯医者さんはけっこう全力でプルプルしながら無理矢理麻酔液をねじ込んでます。
…これが一番痛いんじゃないのか?
3.麻酔液と体温の温度差による痛み
体温(36度)の中に冷たい液体が入ってくると痛みが出るそうです。
かき氷食った時にツーンとくるのと同じような感じなのかな。
麻酔液は冷蔵庫保管なので、そのままだとキンキンに冷えてます。
4.恐怖心による痛み
歯医者が怖い人は多いと思います。
これも今回監修の先生のホームページに載ってて「ほー!確かに!」となりましたが、詳細は見てもらうとして、「痛い」んじゃなくて「怖い」ってのはあると思うんですよね。
「怖い」と結果的に「痛い」んですけども。
実は今の麻酔はほとんど痛くない
昔はどうだったか知りませんが、今の麻酔は痛みをほとんど感じません。
なぜなら麻酔の痛みを抑える方法がいろいろと考え出されたからです。
ただまぁ、医院によって麻酔のやり方はいろいろで、どこの歯医者さんに行っても必ず同じ方法で麻酔してもらえるわけではありません。 気になる人はホームページなどで事前にチェックしたり、電話で問い合わせてみた方が良いでしょう。
ここでは、参考に監修の先生の医院で取り入れている方法をご紹介したいと思います。
1.表面麻酔
歯医者の麻酔が抱えた最大の問題点は
痛みを抑える目的なのに針を刺さないといけない
という矛盾。
コレではないかと思います。
この矛盾を解決するのが「表面麻酔」という方法です。
「表面麻酔」にも「麻酔」と入ってるので「また針を刺すのでは…」と心配になりますが、歯医者の先生方はそんな無限ループはいたしませぬ!
表面麻酔は綿に麻酔薬をしみこませて歯ぐきの上に置いておくだけです。
綿を噛まされるだけなので痛みは全くございません!
こんな↓感じ。
画像出典:陽だまり歯科
綿を噛んで3分くらい放置すると、歯ぐきの表面の感覚が鈍くなります。
表面の感覚が鈍くなっているので、麻酔針を指しても痛みを感じにくいというわけです。
表面麻酔で本番の麻酔までやってくれ!
「そんな素敵な麻酔方法があるならそれだけで麻酔してくれ!」ってことですね。
うん、分かるよその気持ち。
でも残念ながら歯の神経は、顎の骨深くに入り口があります。
表面麻酔ではここまで届きません。 なんてたって「表面」麻酔ですからね…。
ちなみに英語では「OA=outside anesthesia」=外側の麻酔、と言います。
あくまで本番の麻酔(浸潤麻酔=内側の麻酔)のための補助的な麻酔と考えてください。
2.細い注射針
なるべく細い注射針を使う。
僕はこの方法を知らなかったんですけど、こういう配慮があるそうです。
なぜなら、どう考えても太い針の方が痛みは強いから。
3.電動麻酔器
先ほど「麻酔液注入の痛み」と説明しましたが、実際は注入自体が痛いわけではありません。
正しくは「注入する圧力が変化すると痛い」。
人の手でやるとどうしても注入圧に変化が出るので、痛み…というか、違和感がでるみたいです。 それを解決するために開発されたのが電動麻酔器。
こんな↓かわいいデザインで、子どもにも麻酔がしやすくなりそうです。
画像出典:陽だまり歯科
設定された一定の圧力で麻酔液を入れるので、「圧力の変化」が起きません。
つまり電動麻酔器は、「注入する圧力の変化」による痛みを抑える効果があるッ!
4.カートリッジウォーマー
麻酔液の「カートリッジ」を「温める装置=ウォーマー」です。
冷蔵庫保管していた麻酔液を人肌にまで温めることで、温度差による痛みを軽減する効果があります。
温度を上げられれば必ずしもウォーマーを使う必要はなく、使用前に常温にしておいたり、カートリッジを手で握ったりと方法はいろいろあるそうです。
これらの方法は歯医者側にデメリットがある
デメリットという表現が適切かは分かりませんが、歯医者さんが導入したくない理由がいくつかあります。
- めんどくさい
- お金がかかる
- 時間がかかる
しかもこれ、やったからと言って診療報酬が増えるわけじゃないんですよね。
「なるべく痛みが少ないよう治療を受けてもらおう」という先生方のサービスなんです。
なので、医院によっては全く取り入れていない場合もありますし、一部しか行っていない場合もあります。
逆にもっと多くの方法を取り入れているところもあるでしょう。
麻酔が気になる方は事前に確認して、自分に合う歯医者さんを探してみましょう。
オレの麻酔の経験談
僕は正直あまり麻酔が痛いと感じたことがありません。
先の4つの方法を振り返ると、表面麻酔は必ず受けてました。
針の太さは…わかんないですね。
電動麻酔器はないことが多かったですが、なくてもそれほど痛いと感じたことはなかったような?
カートリッジウォーマーは…これもわかんないですね。
この結果から見ると、
表面麻酔をしてもらうと痛くないのでは!?
という仮説が出てきました。
痛みを減らす方法が本当に効果があるのか実験してきた
今回のメインコンテンツです!
先生方、麻酔の痛み軽減のためにいろいろやっておられますが!
それってどの程度効果あるの?
という疑問が出てくるわけですよ。
よし!オレが試してきてやんよ!
というわけでですね、さっき紹介した4つの方法を「した場合」と「しなかった場合」でどれくらい痛みが違うのか実験してきました!
「痛くないよう配慮してもらってること」を、あえて「しないでください!」とお願いして、「痛みが本当に減っているのか!?」を調べる実験です。
自作自演の人体実験ですッ!
表面麻酔をしないで麻酔をしてみた
予想通り、けっこうはっきりと違いが分かりました。
痛いです。
ですが、耐えられないほどの痛みというわけでもなく、「ああ、針で歯ぐき刺されたな」というのが分かるチクッとした痛みでした。 血液検査とかワクチン接種の時をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
麻酔が苦手な方はこういう痛みに敏感だと思うので、表面麻酔はおすすめしたい。
細い注射針と太い注射針
これは試せなかったー!
なぜなら医院に太い針がなかったから…。
どうしても必要なら太い針を取り寄せましょうか?
と先生に言ってもらいましたが、さすがにそこまでは頼めず…。
いや、アノヒトはたぶんやってくれるけど…。
電動麻酔器と手動の麻酔
コレよ!コレ!
今回、一番効果を感じました!
電動麻酔器を使ってもらうと痛くない!
なんかね、スーッっと麻酔液が入ってきてる感じで、「ほんとに今麻酔入れられてんのか!?」って思うくらい何も感じなかったです。
麻酔受けたことがある人は分かると思うんですが、麻酔って歯医者さんがプルプルしながら力入れて注入してるイメージじゃないですか? 視覚的にそれがなくなるのも大きいのかなーと。
個人的評価は、
電動麻酔器は効果絶大だッ!!
麻酔液の温度の差
先生、キンキンに冷えたまんまの麻酔液で麻酔してください。
マジっ!?
マジです。
(スタッフに)あの…。アホな患者がキンキンに冷えた麻酔薬で麻酔して欲しいらしいので、冷蔵庫のやつください…。
えっ!?そんな麻酔薬で大丈夫か?
一番冷えたやつを頼む…。
というほぼフィクションな流れを経て、キンキンに冷えた薬で麻酔をしてもらいました。
かき氷痛のようなキーンとしたのが来ると思っていたので、
さぞかし痛かろー!
と多少びびっていたのですが、思いのほか痛くなかったです。
というか、差が分からなかった。
意外と温度差による痛みはたいしたことない…?
それともオレの個人的な問題…?
痛くない麻酔を受けるために確認すべき2つのポイント
今回の実験で僕が感じたのは、次の2つです。
- 電動麻酔器はめちゃくちゃ効果ある
- 表面麻酔もけっこう効果ある
針を刺す痛みを表面麻酔で抑えて、薬液注入の痛みを電動麻酔器で抑える2段構えです!
麻酔が苦手な方はこの2点を確認して歯医者さんを選んでみると良いかもしれません。
ただ、痛みの感じ方は個人差がめちゃくちゃ大きいと思うので、全員がこの通りになる保証はありません。 あくまで「僕の場合はこうでした!」という実験結果なので、参考程度に…。
あとは、先生としっかり話をして、先生を信頼することだと思います。
不信感があるとそれだけ恐怖を感じやすいですからね。 僕が痛みを感じにくいのは監修の先生をめちゃくちゃ信頼してるからというのもあると思います。
麻酔が苦手な人は「痛い」のか?「怖い」のか?
物理的な麻酔の痛みについてお話してきましたが、もしかすると本質はこっちなんじゃないでしょうか。
「ただ痛い」のか「怖いから痛い」のか。
いざ書き始めるとすごい量になりそうだったので、これはまた別の機会にお話ししようと思います!
歯医者が苦手で10年以上治療を放置していた友人が歯医者嫌いを克服した体験談を交えてご紹介予定!