「歯科」っていったい何ですか?

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投稿日時:2020年3月6日(2020年3月20日に更新されました)

歯科の用語集やってよとリクエストが来まして。

ちょっと説明が必要そうなのを何本かやってみて、それをまとめたページとして用語集を作っていきたいと思います。 どんどん増やすゾ!

まずは第一弾「歯科」です。

人によっては「ハァ?それ説明する必要あるの?」って思うと思います。

たぶん「歯科=歯科医院」としてイメージしたんじゃないかと。

もちろん「歯科医院」として使われることもあるんですが、それ以外の意味もあるので、ちょっとその辺りを説明したいと思います!

実はけっこうややこしいお話です。

今回の記事のチェックは猿田陽平先生にお願いしました

猿田さるた 陽平ようへい
資格
  • 歯科医師
現在お勤めの医院
猿田陽平先生のページへ

どこの誰とも分からない僕が医療系のことについて書いても誰も信用できないと思うので、毎回テーマ毎にお詳しい先生に内容の確認をしていただくようにしています。

今回は、昭和大学出身の猿田陽平先生にチェックをお願いしました。
現在は福岡県福岡市にある【陽だまり歯科】にいらっさる。

歯科=歯医者さん

まずは単に歯医者さんを表すケース。

「歯医者さん」って歯科「医師」を指す場合と、歯科「医院」を表す場合があると思うんですが、今回は後者ですかね。

歯科=歯科医院。

例文↓。

駅に近い歯科を探すか。

歯科=医科ではない

「東京医科歯科大学」とかの「歯科」です。

これはどういうことかと言うとですね、病気の治療ができる資格には「医師」と「歯科医師」があってですね、「医師」になるためには「医学部」へ、「歯科医師」になるためには「歯学部」へ行く必要があります。

国家資格を取った後もこの2つは分かれていて、医師(お医者さん)は「医科(内科とか眼科とか)」、歯科医師(歯医者さん)は「歯科」へ勤務します。

なので、「医科」「歯科」とは「持っている国家資格の違い」と考えてください。

医療系のことだけど、お医者さんじゃなくて、歯医者さんのことですよーというニュアンス。

別記事で、けっこう分かりやすいかなーって図が書けたのでこちらでもご紹介。

ここで話している「歯科」はこの図↓の「ココ!」の位置の「歯科」です。

(クリックで拡大)

例文↓。

歯科の方でも新型コロナの感染予防に取り組んでいます。

歯医者さんの看板の「歯科」

歯医者さんの看板には、医院名じゃない部分に「歯科」と書いてることがけっこうあります。

これ↓はよく監修をお願いしている松原先生の医院の看板。

ご覧の通り、歯医者さんの診療科目に「歯科」というのがあるんです。

まずは「診療科目」について

診療科目というのは、お医者さんの方だと内科、外科、皮膚科、眼科のようなやつです。

これは先ほどの「医科」「歯科」のように資格によって分かれているわけではなく、「内科医」「眼科医」のような国家資格はありません。

「その病院にいる先生の得意な分野」みたいにイメージしてもらえればいいと思います。

「医師」「歯科医師」それぞれで許可されている治療が異なるので、歯医者さんは内科や眼科を掲げることはできません。

歯医者さんは歯科医師に許可されている診療科目だけを掲げることができます。

歯医者さんの診療科目は4つ

歯医者さんが掲げることを許可されている診療科目は次の4つです。

  • 歯科
  • 小児歯科
  • 矯正歯科
  • 歯科口腔外科

加えて、この4つの組み合わせ、例えば「小児矯正歯科」とか、が認められています。

このうち、「歯科」をのぞいた3つは分かりやすい。

小児歯科とは

子供に行う歯科治療のこと。

矯正歯科とは

歯並びの矯正を行う歯科治療のこと。

歯科口腔外科とは

歯を抜いたり、外科的な処置を行う歯科治療のこと。

じゃー「歯科」は?

これ以外の全部のことです。

具体的には、虫歯の治療したり、歯周病の治療したり、歯石取ったり、被せ物作ったり、入れ歯作ったり、全部合わせて「歯科」です。

先の2つの「歯科」とごっちゃになりやすいため、分かりやすいよう「一般歯科」と呼ばれることが多いです。

ここで話している「歯科」はこの図↓の「ココ!」の位置の「歯科」です。

(クリックで拡大)

ツールで確認すると、11院の先生が「歯科」の意味で「一般歯科」「一般」「歯科一般」と書かれていました。

先生方、そこは「一般」を付けるべきとこじゃないゾ。 データ整理大変だったんだゾ。

歯医者さんは必ずしも「歯科」をやっているわけではない

歯医者さんなら「一般歯科(虫歯治療とか)」をやっていて当然とイメージするんじゃないかと思います。

実際にほとんどの歯医者さんは診療科目「歯科」を標準装備しています。
(調べたところ98%以上)

ですが別に歯医者さんだからと言って「歯科」を掲げることを義務付けられているわけではなくて、「歯科」をやっていない医院も意外とあるんです。

まとめ

「歯科」という言葉は、

  • 「歯科医院」を示す場合
  • 「医科」と区別する場合
  • 歯医者さんの診療科目のひとつ

と3パターンありました。

歯医者さんの看板に書いてあった場合は、「虫歯や歯周病なんかの一般的な歯科治療をやってますよー」という意味だと覚えてください。

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