「口腔外科とは」みたいな記事が書きたくて、まずは「口腔」がなんなのか調べたいと思います!
あと読み方!
コウクウ外科と読みます
口腔外科が分からない…何がどうなら口腔外科に行けばいいの?
(近日公開予定)
今回の記事のチェックは松原良太先生にお願いしました
どこの誰とも分からない僕が医療系のことについて書いても誰も信用できないと思うので、毎回テーマ毎にお詳しい先生に内容の確認をしていただくようにしています。
今回は、口腔外科の専門医である松原良太先生にチェックをお願いしました。
現在は熊本県玉名市にある【まつばら歯科口腔外科こども歯科】にいらっしゃいます。
口腔の示す場所を図解
まずは人の顔を横から見た断面(矢状断)。
このうち、「口腔」の範囲はここ↓です。
くちびるを越えてすぐから、ノドまでの範囲のこと。
歯の左側の謎の空間は、歯とくちびるに挟まれた領域です。 ほんとはべちゃっとくっついてますが、分かりやすいよう少しあけています。
解剖学的な口腔の定義
難しい話なのですっ飛ばしてOKです。
口腔の解剖学的な定義としては、
前方は口唇(くちびる)、側方は頬。
上壁は口蓋(コウガイ、うわあごのこと)、下壁は口底(ベロの下の粘膜)。
後方は口峡(のどちんことベロの奧を結んだライン)。
これらで上下左右前方後方を囲まれる領域が「口腔」です。
「口腔」の読み
今までの経験上、「口腔」は「コウコウ」、「口腔外科」は「コウクウゲカ」と読んでる人が多いような気がします。
正しい読み…と言っていいのか、少なくとも歯学用語としては、口腔は「コウクウ」と読みます。
「腔」は「クウ」と読むのか?
ほんとは読まないみたいなんですよね…。
右に「空」ってついてるもんだから「クウ」って読む人が多くて、しょうがなく「クウ」読みも許容した的なことが書かれていました。
なので「コウコウ」が正しい。
僕の携帯も「コウコウ」じゃないと「口腔」と変換してくれないです。
古い携帯なんです…
パカパカします…
ほっといて…
参考文献で読みを調べた
医歯薬出版の口腔外科学と、南江堂の人体解剖学というテキストで読みを調べてみました。
…が、共に「口腔」のフリガナが振ってなくて…。
索引を見れば読みを特定できるのでは?と、調べてきました。
口腔外科学では、「口角(コウカク)」と「口呼吸(コウコキュウ)」に挟まれているので、「コウクウ」も「コウコウ」もありえます。
人体解剖学でも、「口峡(コウキョウ)」と「口唇(コウシン)」に挟まれているので、こちらもどっちもいけますね…。
解剖学の方は「広頚筋(コウケイキン)」があるのでいけると思ったんですが、読みよりも漢字順で並んでいたのでダメでした…。
でも「コウコウ外科」って言ってる先生はひとりもいないからね…。ほんとだからね…。
なぜ「コウクウ」と読むのか
一時情報源を見つけられなかったので噂話程度の精度ですが、聞いてください。
紛らわしい読みと区別するため
「腔」という字は「口腔」の他にも「鼻腔(ビクウ)」などがあります。
「鼻腔」を仮に「ビコウ」と読んでしまった場合、「鼻孔」と音が被ってしまい、耳で聞いた時にどちらのことなのか区別できません。
「口腔」の方も「硬口蓋(コウコウガイ)」など、「コウコウ」を含む関連用語があります。
これらと区別するために「クウ」読みした説です。
「空洞」であることを理解しやすくするため
口腔にしろ鼻腔にしろ、空洞というか空間というか、何もないスペースを表す言葉です。
が、解剖学では「コウ」と読む構造の名前が「孔(あな)」「溝(みぞ)」と他にもあります。
穴でもないし溝でもないんだぞというのを感覚的に分かりやすくするため「クウ」と読んだ、という説です。
まとめ
- 口腔とは、唇からノドまでの範囲のこと
- 漢字的には「コウコウ」が正しいけど、歯科用語としては「コウクウ」と読む
以上!
参考文献
医歯薬出版 口腔外科学 第3版
南江堂 人体解剖学 第42版